2024/9/27
最初に質疑を行います。
公共施設包括管理委託事業について質問します。
新行財政改革大綱の5つの改革の柱の一つに「公共資産マネジメントの推進」があります。
そのアクションプラン2023では「トータルコストの削減」の中の事業として、本事業「公共施設包括管理委託事業」が位置づけられています。
このことから本事業の重要性が認識されます。
本事業シートでは背景として、
「(公共施設の)維持管理を効率的に運営し、メンテナンスサイクルを完成させるとともに、事後保全から予防保全への移行によりトータルコストの縮減を目指します。」とあります。
本事業の実績指標として、公共施設の包括管理委託の対象施設数が あげられています。
R4年、R5年とも目標値192に対して実績値407となっています。
質問いたします。トータルコストの縮減を目指すのではあれば、本事業においてもコストの面から定量的な指標が必要ではないでしょうか。見解を伺います。
事後保全から予防保全への移行を目指すとありますが、業務実績を蓄積していくは委託業者であり、システムは委託業者の所有と聞いています。
そこで、予防保全への移行達成の考え方、実行計画を伺います。
意見陳述を行います。
昨年の6月議会から今年3月議会までの当会派が行った議会質問と提出された議案への対応を基に、五つの点について述べます。
一つは国からの補助金などの支出金がない事業に対して、市独自の対応及び国への要望を拡大すべきということです。
子ども、子育て世代の支援に関しては、昨年度市は18歳以下の子どもの医療費を無料化しました。他市に先んじての実施で評価できると考えます。
しかしながら、今議会継続審査となった請願「市原市に小中学校給食費無償化に向けての財政措置を求めることについて」に対して、
市の主張は、「本来、国がやるべきこと。自治体の財政力により地域に差異がでるのは妥当ではない。」と説明がありました。
また、子どもが多くなればなるほど負担が増える国民健康保険制度における均等割を免除する経済的な支援に対する質問では、
「国の基準を超えて、独自に保険料を減額して賦課することを、条例で定めることはできない仕組みとなっている」との答弁でした。
国の制度のため、国が制度を変えない限り対応しないことでいいのでしょうか。
子ども真ん中社会という方針をかかげ、子育て世帯に徹底的に応援するとするならば、当会派の主張する給食費の完全無償化、子ども均等割りへの助成を要望いたします。
中小企業、農家支援に関して述べます。
昨年度は中小企業に対しては中小企業等経営継続支援事業(決算額260,789千円)、農家に対しては、市原市畜産飼料価格高騰緊急支援事業(決算額33,040千円)がありました。
市の自己評価では「依然として申請数は相当数あり、事業者ニーズも高いと考えられます。今後も国の支援制度の動向や市内経済状況に注視しつつ、事業者ニーズに即した支援を行っていきます。」とあります。
問題は、国県支出金がなくなったが、市民からのニーズが高い事業に対してどのように対処するのかです。検討を要望いたします。
二つ目は、公共交通、公共施設利用料などの公共サービスの維持の観点からです。
バス運行対策費補助事業費当初予算41,439千円から決算額13,981千円に約2600万円と大きく減額となりました。
これは昨年度来大きな問題となっている運休減便のバス路線が増加して、補助金支出が不要となったためです。市としてもこれは想定外だったのではないでしょうか。
私はこれまで赤字路線は10割ではなくとも一定の補助金が出ているので運行維持はできると思っていました。事業者が運休、減便する理由は運転手問題だと確信していました。
しかしながらその他の原因があることが今回分かりました。
赤字バス路線への補助規定は運行経費の最大45%までとなっており、赤字額が運行経費の55%以上ある路線には全額補助されません。
例えば1000万円の運行経費の赤字路線には最大450万円まで補助されますが、運行収入が550万円以下で、赤字が450万円以上ある場合赤字は完全に補填されません。
経費に対する赤字割合が大きければ大きい程、事業者負担が増大する。
残りの赤字は事業者側の努力といわれても、もともと乗降者数が少ない路線ではどうしようもありません。
事業者の立場にたてば、利用客の少ない路線は運休減便の判断もあると考えます。
運休減便問題は運転手不足だけの原因でなく、補助金の規定見直しを要望します。
公民館などの「公の施設」の使用料が2017 年度に2 倍化、2018 年度に3倍化により、公民館の利用者数は、最盛期の2014年に対して2022年度は73%、公民館の登録サークル数は、2009 年度に対して2022年度は6割と落ち込みました。
料金値上げが利用者減少、登録サークルの減少となっており、利用料金を市民が利用しやすい料金設定とするようにと質問しました。
市からは、「施設の維持管理の財源としてはもとより、施設を利用される方とされない方との公平性を確保しているところ」との答弁があり、これは利用者の受益者負担を理由とするものです。
地方自治法244条では、「公の施設」は、「住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設」としており、地方自治体は住民の利用する権利を保障し、不当な差別を禁止する規定が設けてあります。
市は、地方自治法の原点に戻り対応すべきと考えます。
三つ目はジェンダー平等の点からです。
女性活躍推進法の改正省令・告示があり、市原市においても昨年男女賃金格差の公表がなされ、格差に関して当局に見解を求めました。
市当局は格差の原因として、正規職員の管理職に男性が多いことをあげ、今後、「管理的地位への女性登用を積極的に推進してまいります。」と答弁しました。
女性管理職(課長以上)の割合は2021~23年の間で8.1%~10%と1.9%増で実数として2人増です。行動計画2025年目標値は12%なっており、今後の実行を注視しております。
格差の原因の二つ目には、任期に定めのある職員に女性が多いことをあげました。保育士、看護師、学校補助員など市原市では広い職種に及び、会計年度任用職員が担っています。
市からの資料によりますと、会計年度任用職員の9割が女性で平均給与月額が15万円であることが明らかになりました。
会計年度任用職員の処遇改善が求められる中、昨年12月議会では、
議案「市原市一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定」が提出されました。
当会派はこれに反対しました。
反対理由は、特別職、一般職は4月まで遡って支給する改定となっていますが、会計年度任用職員は4月まで遡及することとなっていなかったからです。
当時の新聞報道では「総務省は、非正規公務員の給与改定について『改定の実施時期を含め、常勤職員に準じることを基本とする』として、正規職員と同様に4 月にさかのぼって改定するよう自治体に求める通知を出した。」とし、その通知に従って「遡及改定を行った自治体は3割しかなかった」とありました。
市の職務を担っている会計年度任用職員の処遇改善を要望します。
四つめ公共施設へのPFI事業としての取組みについてです。
(仮称)八幡宿駅西口複合施設等PFI事業が昨年度から3年間の継続事業として進行中です。
PFI制度とは公共施設の建設や所有を民間事業者に委ねる制度だと捉えられます。
その際に問題になるのは事業者の情報開示性と安定性です。
行政機関であれば情報開示できるものでも、民間事業者であれば企業秘密として、秘匿されます。特に従事者の労働条件などの人的経費に関わることは開示させることは難しいと考えられます。
また、公共サービスは長期間にわたり安定的行われなければなりません。民間事業者が途中で撤退したり、経営破綻するリスクがつきものです。このようなリスクへの負担は市民への廻ってくることになります。
今後の進捗に対して関心と注意をもって対応したいと考えます。
五つ目は、イベント開催に傾注した観光及び行事についてです。
昨年度、上総いちはら国府祭り事業、アートを活用した観光地づくり事業としての「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」の開催、市制施行60周年記念事業があり、3事業の人件費を含めた総事業費は2億8千万円に上ります。
限られた予算の中でのお金の使い道、財政運営として、市民の生活に関わる支出を優先すべきと考えます。
以上の点より、
日本共産党は、令和5年度市原市一般会計並びに特別・企業各会計決算について不認定といたします。